イタリアのサスペンションスペシャリスト「DNA Racing」より、アバルト500/595/695シリーズの走行性能を本質から引き上げるサスペンションキット、およびサーキット走行向けオプションのトラックデイスプリングキットをご紹介いたします。
DNA Racing WRS ショックアブソーバーキット
この「WRS(World Rally Series)」キットは、モータースポーツで培われた技術をストリートからサーキット走行まで適応させた、高性能1ウェイ車高調整式サスペンションキットです。
アバルト特有の短いホイールベースと高い重心バランスを最適化し、路面からのインフォメーションをより鮮明に伝えます。
製品の主な特徴
高品質な素材: ショック本体には高強度な航空宇宙グレードのアルミ合金「Ergal 7075」を採用し、ハードアルマイト処理を施すことで、軽量化と高い耐久性を両立しています。
大径ピストン: 40mmピストンを採用。微低速域から正確な減衰力を発生させ、車両の挙動を安定させます。
1ウェイ調整機構: 伸側(リバウンド)と縮側(コンプレッション)の減衰力を、ダイヤル一つでバランス良く同時に調整可能です。
セッティングとインストールについて
本キットの性能を最大限に発揮させるため、DNA Racingが推奨する基本的な考え方をまとめました。
1. セッティングの方向性
WRSキットは、トップ部分にあるダイヤルで減衰力を調整します。
ストリート: 最もソフトな状態(時計反対回りに全戻し)から数クリック締める設定から始めてください。突き上げを抑えつつ、純正よりも格段にフラットな乗り心地を実現します。
サーキット/スポーツ走行: コースの路面状況に合わせて徐々に締め込んでいきます(時計回りにダイヤルを回すと固くなります)。リバウンドとコンプレッションが連動して変化するため、セッティングに迷いが生じにくく、初心者から上級者まで扱いやすい設計です。
2. インストール方法の注意点
アバルトへの取り付けはボルトオン設計ですが、以下の点にご注意ください。
フロント(マクファーソンストラット): 純正のアッパーマウント、またはDNA Racing製のアジャスタブルトップマウントと組み合わせて装着します。ナックル取り付け部のボルトは、メーカー指定の規定トルクで確実に締め付けてください。
リア: ショックアブソーバーとスプリングが別体の構成です。車高調整はスプリング下のシムまたはアジャスターで行います。
アライメント調整: インストール後は必ず4輪アライメントの測定・調整を行ってください。特にフロントのキャンバー角とトー角の最適化は、本キットの旋回性能を引き出すために不可欠です。
DNA Racing Track Day スプリング
(WRS ショックアブソーバーキット専用オプション)
標準キットに付属するスプリングよりも高いレート設定を求めるオーナー様向けに、専用の「Track Day スプリング」もご用意しております。
目的: ハイグリップタイヤ(セミレーシングタイヤ等)の使用を前提とした、ロールの抑制とレスポンスの向上。
特性: 直巻(リニア)レートを採用しており、荷重がかかった際のスプリングの動きが予測しやすく、限界域でのコントロール性が飛躍的に高まります。
推奨環境: サーキット走行がメインで、よりダイレクトなハンドリングを追求される方に推奨いたします。
スプリングレート: 8.0kgf/mm、9.0kgf/mm + ヘルパースプリング
DNA Racing WRSショックアブソーバー用トップマウント
(WRS ショックアブソーバーキット専用オプション)
ステアリングの精度と強度を向上させるために、特にリジッドスプリングセットアップの場合は、モータースポーツタイプのトップマウントに交換することをお勧めします。
ラバーマウントをボールジョイントに交換すると、ステアリングの精度が向上し、ラバーでは機能しなくなるスプリングダンパーの機能が向上します。
DNA Racingのキットでは、キャンバー角を最大約-3°まで調整することもできます。
キャンバー角度を増やすことで、コーナリング時の接地面積が向上します。
これにより、ハンドリング、ステアリングレスポンス、サスペンションの精度が向上します。
キットには、トップスプリングプラットフォーム、調整キャンバープレートとユニボールシート、モータースポーツユニボール、ショックナットが含まれています。
エルガルビレットから製作されたキットには、ステアリング操作時のノイズを排除し、ユニボールの耐久性を保護するためにアキシャルベアリングが組み込まれた特別なスプリングプラットフォームが含まれています。
【技術解説】DNA Racing WRS ショックアブソーバーキットの詳細
本キットは、単なる車高調整式サスペンションではなく、モータースポーツの知見をフィードバックした「高精度な減衰制御」を目的として設計されています。
1. 構造と素材
モノチューブ構造: 放熱性に優れ、長時間の負荷でも減衰力が安定する単筒式を採用しています。
40mm大径ピストン: 内部ピストンを大径化することで、微低速域から正確な減衰力を発生させます。
Ergal 7075アルミ合金: ショック本体と主要パーツに航空宇宙グレードのアルミを採用。軽量化によりバネ下重量を軽減し、路面追従性を高めています。
2. インストール時の重要事項
資料に基づいた、確実な組み付けのためのポイントです。
フロントの取り付け:
専用のアジャスタブル・キャンバープレート(トップマウント)との併用が推奨されます。これにより、純正では不可能なキャンバー角の微調整が可能になります。
組み立て時には、各ボルト・ナット類に適切なトルク管理を行うことが不可欠です。特にトップナットの締め付けは、ピストンロッドを傷めないよう専用工具の使用が求められます。
リアの取り付け:
リアショックおよびスプリングの装着時、車高調整用のアジャスターを正しい位置に固定してください。
リアの減衰力調整ダイヤルはアクセスしやすい位置に配置されていますが、泥や汚れが付着しやすいため、定期的な清掃が推奨されます。
最終調整:
インストール後は、必ず「コーナーウェイトの測定(1G状態での荷重バランス)」と「4輪ホイールアライメント」を行ってください。本製品の真価を発揮させるためには、数値の適正化が前提となります。
3. セッティングガイド(減衰力調整)
WRSキットは、伸側・縮側の減衰力を同時に変化させる1ウェイ調整式です。
調整範囲: ダイヤルを時計回りに回し切った状態が「最も硬い(Max Hard)」設定です。そこから反時計回りにクリックを数えることで調整を行います。
推奨設定の目安:
ストリート/ワインディング: 全閉(Max Hard)から15~20クリック戻しを基準に、乗り心地と収束性のバランスを探ってください。
サーキット(Track Day): 全閉から5~10クリック戻しを基準とし、タイヤのグリップ力やコースの起伏に合わせて微調整を行います。
Track Dayスプリングとの併用: オプションのハイレートスプリング(Track Day用)を装着する場合、スプリングの反発力に合わせて減衰力を強め(クリック数を締め気味)に設定することで、よりダイレクトな挙動を得られます。
4. メンテナンスについて
本製品は競技用パーツに近い精度で製作されているため、性能を維持するためには日常的なケアが必要です。
ショックアブソーバーのロッド部分を常に清潔に保ち、砂利や融雪剤による損傷を防いでください。
定期的に各部のボルトに緩みがないか、オイル漏れが発生していないかの点検を推奨いたします。
DNA Racingの製品は、過度な装飾よりも「機能が形を作る」という機能美を体現しています。取り付けやセッティングには一定の知識と技術が必要となります。
セッティングに関する疑問や、具体的な取り付けショップのご相談などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
誠意を持ってサポートさせていただきます。


.jpg)
.jpg)
.jpg)

